■奥田民生、YO-KING、桜井秀俊（年齢順）という、日本（とソニー・ミュージックアーティスツ）を代表する愉快な仲間たちが「なにか楽しいことをやりましょう」という、オトナのわりにはうっかりした動機で結成された新人バンドが「地球三兄弟」である。（ご通家の方はご存知の通り、それぞれ20有余年の活動歴があるため、個人プロフィールは長くなるので割愛）

■結成のきっかけは、2011年、映画『マイ・バック・ページ』の主題歌となったボブ・ディランのカバー「My Back Pages」。その際の楽しさの余韻から結成を決意。この時は「真心ブラザーズ+奥田民生」という名義だったが、「オレだけがのけ者になるのもナンだから」というOしゃん（奥田）の主張が受け入れられ、真心ブラザーズとユニコーンがそれぞれコラボした『宇宙兄弟』にインスパイアされました的なバンド名が決定。

■デビューにあたっての楽曲制作は、合宿を開催して行うという新人バンドらしい方式で行われた。それぞれが持ち寄った曲を他の人間に歌わせる（一部例外アリ）という化学反応まかせのスタイルを導入。メンバーそれぞれが、ギター、ベース、ドラムなどの楽器を持ち替えることで、3人なのに「バンド」としてのサウンドを構築。たいして弾けないバイオリンまでをスタジオに持ち込んだ「オトナの楽しさ優先」のレコーディングが、地球三兄弟の原点となった。

■バンドリーダーは、先輩風をやや吹かせがちなOしゃん（奥田）とスパ de SKY（YO-KING）から「やっぱ、THE EARTH（桜井）でしょ」と言われたまま、現在までなしくずし的に放置。たぶんそのまま大決定となるのが通例である。

■ちなみに、まるで元から地球三兄弟としての大きなコンセプトがあったかのようなナンバーも散見されるが、「バンド名が曲を呼んできた」という完全なる後付け＝結果論であり、そこにも「楽しさ優先」の三兄弟メソッドが活かされている。

■なお、地球を救うという強い意志は、特段にはない模様。